山梨の基準地価は25年連続の下落

昨日、山梨県が県内の2017年の基準地価(7月1日時点)を発表しました。住宅地、商業地の全用途で前年比2.0%の下落となり下落率は縮小したが、25年連続の下落でした。

一方、全国的には商業地が2年連続のプラスで、住宅地も下落率が縮小しました。特に地方でも札幌、仙台、広島、福岡の4市の上昇率は住宅地、商業地とも3大首都圏の東京、大阪、名古屋を上回りました。

山梨県内で上昇したのは265地点中7地点のみで、特に山中湖村平野では中国人の投資家が別荘や廃業したホテル、企業の保養所を買い取って、訪日時の宿泊に家族や一族で利用しているケースが多いと聞きます。

甲府市内では人気の高い大里町、後屋町、宮原町などが、下落こそはしなかったが横這い。リニア新幹線の駅予定地となる大津町でも横這いでした。イオンモールの増床が予定される昭和町でも上昇地点はありませんでした。

不動産を購入する立場から見れば、以前に比べ売買における相場も安くなっていますが、毎年2%の下落が5年連続すれば資産が10%目減りすることになります。

首都圏と地方の二極化が進んでいますので、今後は県外からの投資目的の不動産購入が増加するのではないでしょうか。

相続した空き家を売却した場合の特例

昨日、宅建協会で開催された「平成29年度税金セミナー」に参加してきました。内容は平成29年度税制改正の概要および、これからの空き家対策の方向性についてです。

以前の記事のなかで、各市町村により必要な措置の勧告対象となった特定空家等に係る土地については、住宅用地に係る固定資産税および都市計画税の特例措置の軽減の対象から除外されると記述しましたが、これは「空家等対特別措置法」の施行におけるいわばムチにあたるもので、逆にアメとなる「相続した空き家を売却した場合の特例」の解説がありました。

この特例は、親から相続した空き家について一定要件を満たせば3,000万円まで控除できるもので、主な要件として「①被相続人が一人で暮らしていた実家であること。②旧耐震(昭和56年5月31日以前の建築)の家屋であること。③区分所有建築物以外の家屋であること。④平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に譲渡すること。⑤相続開始の日から3年目の年末までに譲渡すること。⑥譲渡対価の額が1億円以下であること。⑦家屋除去後の敷地では、家屋を相続時から除去時まで未利用であること、かつ相続時から譲渡時まで未利用であること、かつ家屋では譲渡時に家屋が耐震基準に適合していること。」となります。

要件を満たせば、控除適用ない場合とでは譲渡税額で数百万円単位の差額が発生するケースも想定されます。また相続人が兄弟等で複数の場合は、それぞれが3,000万円控除の適用を受けることができます。

申請手続きは譲渡翌年の2月16日から3月16日の確定申告にて行いますが、必要書類には市町村が交付する「被相続人居住用家屋等確認書」が含まれます。この確認書の交付においても提出する書類が多数必要となりますので、該当の方は早めの手続きをお勧めします。また要件には「家屋では譲渡時に耐震基準に適合していること」も含まれますので、以前の記事での甲府市の無料耐震診断を利用することもお勧めします。

 

甲府市の無料耐震診断

先日、地元自治会の集まりに甲府市の建築指導課に来ていただき、甲府市からの無料耐震診断の説明がありました。

耐震診断の対象は、①市内に住所を有する者が所有し、かつ居住する者。②昭和56年5月31日以前に工事着工したもの。③木造で在来工法であるもの。④2階建て以下、延床面積300㎡以下。⑤専用住宅、または住宅部分が大半の併用住宅。

申し込んだ後に、派遣された診断技術者が床下や天井裏などを点検口から検査し、診断の結果「耐震性か低い(総合評点1.0未満)」と診断された場合、 ●耐震診断の内容と結果●耐震改修工事の方法●耐震改修工事の費用と見積もりを説明してくれます。

新耐震基準とは:昭和53年6月12日、仙台市を震度5の地震が襲い、1万135人の死傷者が発生しました。それ以降、昭和56年6月1日に建築基準法の改正があり「新耐震基準」が施行されました。その結果、震度5強・6弱の地震による建物の損壊等が発生しても、生命の安全性が確保されるような建物の構造基準が定められました。

不動産の売買では契約の前に義務付けられている「重要事項の説明」の中で「耐震診断の実施の有無」について説明することになっています。よくある質問ですが「耐震診断実施の有無」とは基準を満たしているか否かではなく、新基準での耐震診断を実施した記録の有無を確認して告知しています。もちろん、昭和56年5月31日以前の建物がすべて危険であるわけではありません。また、昭和56年6月1日以降に新築工事した建物に関してはこの説明は除かれていますが、すべての建物が安全であるとは言えません。

甲府市では無料耐震診断のほか、診断結果が総合評点1.0未満の住宅に対して、「耐震改修設計補助(補助金額・耐震改修設計費用の3分の2以内、限度額20万円)」、「耐震改修工事補助(改修工事費用の2分の1以内、限度額100万円、高齢者世帯などは限度額120万円)」、「耐震シェルター設置補助(設置費用の3分の2以内、限度額24万円)」の補助制度があり、それぞれ補助金が申請できます。

築年数の経過した建物は残存価格もなく経済的な資産価値は低いですが、耐震診断の基準を満たすことで、自身や家族の安全を確保でき、また売却する際にも有利になるのではないでしょうか。

甲府盆地の洪水ハザードマップ


9月1日は防災の日です。先日物件調査の際に近くにある住吉神社にお参りに行きました。

住吉神社 由緒沿革:聖武天皇の御代天平年間(724年)高畑荒川の辺りに鎮祭、後に甲斐源氏武田太郎信義公神託に依りて居館稲積の庄一条小山の郷に武田家代々の軍陣守護の神となる。
武田信義公詠むに 「有かたやけに住吉の神ませは猶しもたのむ代々のゆくすゑ」以来、武田家代々守護又稲積荘の土神産土神として厚く崇敬される。
其の後浅野長政公甲府城を築城するに文禄年間畦村(現在地)に遷祀される。
宝永年間柳沢吉保公甲府城主となるに家臣団三千二百三十余人氏産神として厚く敬ふ。元和年間洪水にて社殿損失。寛文八年(1668年)再建、現在にいたる。

地域の歴史を調べることで、周辺の土地が過去どのような災害に被災してきたのかが判ります。小学生の時に当時の先生が、甲府盆地はその昔湖であったと考える湖水伝説が存在すると、教えられたことがあります。

最近、宅建協会の災害研修や地域の防災訓練に参加した際に、甲府市中部は地震のほか、やはり洪水の被害が予想されるとのことです。

そこで甲府市の洪水ハザードマップを確認すると。甲府盆地には釜無川、笛吹川と荒川が流れ、それが合流して富士川になり、昔から氾濫原であり、水田地帯として利用されてきました。甲府市中心では最低でも50cmの床下浸水が想定され、1m、2m以下の浸水を想定される場所も広く、特に笛吹川と荒川の合流地点、笛吹川と釜無川の合流地点の周辺では5メートル以下の浸水も想定されています。

この想定は50年~100年に一度の確率で発生する稀な豪雨の際に、堤防が決壊した時の「浸水想定図」から最大水深を選定して作成されたものでありますので、それぞれの川の堤防が決壊しなければ、これほどの浸水の心配はないと思われます。しかし、最近は全国あちこちで観測史上最高の降水量が記録されることもありますので、持ち出し品の準備や避難経路、避難場所の確認など、隣近所との交流を大事にして急な災害に備えなければと思います。